大学生数学基本調査 偏差値 IT

日本数学会が昨年4~7月、国公私立48大学の受験を終えたばかりの1年生中心の約6千人に、数学の基礎学力を問う試験を実施した。小学6年で習う「平均」の考え方を尋ねる問題を4人に1人が間違えるなど、大学生が数学の基礎学力や論理的思考力を十分身につけていないことが分かったとされている。
早速私も平均に関する問題をやってみました。(1)が×で(2)が○なのはすぐ分かりました(身長の合計が偶然にも16350cmになったと考えて)が(3)の10cm間隔の広い幅で平均値付近(160cm代)の生徒数が最も多いというのは確率統計的には充分にありえる事なので○としてしまいました。確実に正しいと言えることという問いなので正解は×だそうです。しかし160cm代が多数ではないということは、150cm代や170cm代の生徒が多数ということになり平均値付近の160cm代が谷となる分布図が出来上がり現実にはありえないのではないでしょうか?
3つとも正解したのは偏差値群から東大・京大など国立最難関が94.8%で中堅私大は50%が不正解だったそうですが、(2)の誤差(身長の合計が16354.5cmなどの100で割って答えが小数点第一位までに割り切れない数値になる可能性のほうが高い)や(3)の分布図を考えると小学6年生程度というよりかなり複雑な問題になります。
解答に迷うのが自然であって、深く考えないで3つとも正解したものが優れているとは限りませんね!偏差値が万能ではないことの典型的な例です。日大理工学部学生もこの問題に迷って私のように間違えるかもしれませんが国立最難関の学生に劣るとはいえません。
ところで、ある中学校の三年生の生徒100人の平均値をだすコンピュータープログラムを書く場合、平均値163.5cmで「180cm以上で190cm未満の生徒」が最も多いという結果はデータの正当性が疑われます。データは人間が投入するものなのでミスが発生します、例え計器で測定したとしても誤動作が考えられます。ITでは平均値に近い「160cm以上で170cm未満の生徒」が最も多いはずというプログラムチェツクを入れて「170cm以上で180cm未満の生徒」が最も多いという結果にはデータ正当性に関する警告メッセージを発生させる必要があります。
日本の数値計算(データの誤差に関する研究)の父と言われた数学者・宇野利雄先生(日大理工学部数学科教授)から「データを鵜呑みにしてはいけない必ず誤差を含んでいる」とデータを疑う習慣を教えられました。世界のITは進んでいますデータやプログラムと言った概念ではなく全てをオブジェクト(物体)として把握するオブジェクト指向に移行しています。各々オブジェクトを継承やインタフェースで繋いで再利用する採算性の高いソフトウエアの開発が可能になっています。それは40年前に理工学部数学科で習った位相数学の具現化のようにも見えます。これからの数学教育には宇野先生のようなIT思考を取り入れて、ITで台湾の国立交通大学などのアジアの強力なライバルにも負けない体制を作ってもらいたいと思います。

About 管理者

昭和49年日本大学理工学部数学科卒業。さすらいのSEである。卒業ゼミで数学科宇野教授から君は頭はいいが世間知らずだと言われる。「大きいところで尻尾になるより、たとえどんなに小さいところでも頭になれ」と教えられるが、真の意味がわからず日大理工卒業後さすらいの旅に出る。あれからもう40年、最近やっと安住の場所を発見する。
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