ららら♪クラシック 仮装?奇想?名演奏 クライスラーの「愛の喜び」

作曲家クライスラーは自分の目指す音楽に対して次のように述べています。
「私は軽やかな音楽が大好きです 特にワルツは素晴らしい ワルツらしさを取り入れた曲を書きたいと思っていました」 
そこでクライスラーはウィーン地方の古い民謡に基づいた旋律で3拍子のワルツ・リズムで奏でられる「愛の喜び」を作曲した。だからヨハン・シュトラウスのウィンナ・ワルツとは違った美しさがあります。ヨハン・シュトラウスのワルツのようにオーケストラで華麗に演奏する曲ではなく、ピアノとヴァイオリンの二重奏で演奏する素朴なワルツです。
作曲者クライスラーがヴァイオリン演奏した「愛の喜び」(1926年4月14日録音)は、ウィーンの居酒屋でワインを飲みながら気軽に聴けるような素朴な演奏です。

ところでクライスラーは「愛の喜び」を昔の作曲家の作品として発表しています。
「演奏会のプログラムに自分の名前ばかり並ぶのは厚かましいと思えたから・・・」とクライスラーは述べています。
しかし当時の音楽評論家の批評を嫌ったとも言われています。ある19世紀の音楽評論家はベートーヴェンの交響曲第9番の終楽章(第4楽章)に対して次のような批評をしています(音楽之友社 名曲悪口辞典から)。終楽章は・・・・・、私にとって大部分が退屈で醜悪(しゅうあく)だ・・・・・ああ、愚かで絶望的に下品な音楽のページの数々よ!「喜びよ、喜びよ!」という中心曲の筆舌(ひつぜつ)に尽くしがたい安っぽさ。
確かに私も現在の音楽評論家が書いた名曲名演奏などの書籍は参考程度にして、名曲の名演奏は自分の耳で判断しています。

交響曲といえば、佐村河内守さんの交響曲第一番「HIROSHIMA」は別人の作曲だったことで話題になっています。未知なるものへの拒否反応から、本当に優れた交響曲はなかなか評価されません。シューベルトの交響曲第9番はシューベルトの死後10年経ってようやく初演されています。youtubeで交響曲第一番「HIROSHIMA」の第3楽章の後半が挙がっていますが、まるでマーラーの交響曲のようでした(混沌としてとらえられないような退廃的なマーラーの音楽のように感じました)。youtubeにも「どこか? マーラーの曲に 似てない」とコメントされた方がいましたね!

自作の曲を他人の作品として発表したクライスラーは20世紀を代表する大ヴァイオリニストでもあります。ベートーヴェン・メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の演奏は、クライスラーの弾くヴァイオリンの甘くノーブルな気品に満たされた歴史的な名演奏です。超絶技巧を誇らず、高ぶるところが少しもなく、楽曲からクライスラーほど多くのものを取り出すヴァイオリニストは現在もいません。
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン) レオ・ブレッヒ指揮/ベルリン国立歌劇場管弦楽団 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲(1926年録音) メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲(1926年録音) は私の愛聴番ですが、1926年録音のモノラルのSPレコードからの音源で市販CDを聴いてもあまり感激されないかもしれません。私が開発した技術で、市販CDから調整して録音当時の臨場感のある生き生きとした美しい音色をよみがえらせたクライスラーのヴァイオリンに陶酔しています。

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昭和49年日本大学理工学部数学科卒業。さすらいのSEである。卒業ゼミで数学科宇野教授から君は頭はいいが世間知らずだと言われる。「大きいところで尻尾になるより、たとえどんなに小さいところでも頭になれ」と教えられるが、真の意味がわからず日大理工卒業後さすらいの旅に出る。あれからもう40年、最近やっと安住の場所を発見する。
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